肌荒れ防止から夏バテ予防にも~春夏に楽しむ薬湯入浴
2022.05.12

四季折々の植物を利用した「薬湯」が、本格的に庶民の間に広まったのは江戸時代。大衆浴場である湯屋において、冬至の柚子湯など季節の行事として親しまれるようになりました。この天然アロマ浴ともいうべき薬湯には、実はそれぞれしっかりとした薬効があります。冬の薬湯は以前の本コラムでご紹介しましたが、今回は今の時期から夏にかけての薬湯をご紹介しましょう。


心身を整えてくれる春夏の薬湯4選

菖蒲湯
5~7月にかけて花が咲く菖蒲は、「=尚武(武事を尊ぶこと)」と音が通じることから、江戸の武家社会で親しまれ、菖蒲湯は端午の節句(5/5)の行事として知られています。しかし、単なる年中行事ではなく、菖蒲にはアサロンやオイゲノールという精油成分が多く含まれており、腰痛や神経痛を和らげる効果が期待できます。使い方は細かく刻んだ菖蒲をネットに詰めて洗面器に入れ、熱湯を注いで10分ほど待ち、精油成分の溶け出したお湯ごとネットの菖蒲を浴槽に入れて使用します。

ドクダミ湯
梅雨時に白い花を咲かせるドクダミは、薬効あらたかな有名生薬。解毒剤として服用したり、健康茶としても知られていますが、消炎、抗菌作用があるため、お風呂に入れればあせもや湿疹、水虫、かぶれなどにも効くとのこと。汗ばむこれからの季節には、ピッタリの薬湯と言えるでしょう。使い方は生の葉や茎を適当なサイズに刻んでネットに詰め、水の状態のお風呂に入れて、一緒に炊いて使います。入浴中もネットをお湯の中に入れたまま、成分を揉み出してやるとより効果的です。

桃湯
桃の果実ではなく、葉を使った薬湯です。ウナギの蒲焼きと同様、江戸時代には夏の土用の日の風物詩でした。桃の葉には消炎、解熱作用のあるタンニンが含まれており、日焼けやあせも、湿疹、虫刺されなどへの効果が期待できます。使い方は、桃の葉を布袋に詰め、15分ほど煮出した後に、煮汁ごとお風呂に注げばOK。頭皮のフケが気になる方は、煮汁で頭を洗うと効果があるとも言われています。

ハッカ湯
ハッカはシソ科の多年草で、茎と葉にメントールを主成分とする精油を含んでおり、発汗と血行を促進する働きがあります。また、気分を高揚させるのにも落ち着かせるのにも役立つアロマテラピー効果も。使い方は陰干しした葉を布袋に詰めて洗面器に入れ、熱湯をかけて15分ほど蒸らし、その汁ごと布袋を浴槽に注いで使います。入浴後にはスースーとした爽やかな清涼感がありながら、実は体をしっかり温めてくれるので、自律神経を整え、夏バテ予防にも効果があると言われています。

入浴した後は、念入りにお風呂掃除を

冬の薬湯の記事でもふれましたが、薬湯の素材は生の植物であるだけに、長く放置すると腐ってしまう恐れがあります。くれぐれも薬湯を楽しんだ後は、追い焚きはせず、お湯を捨ててお風呂掃除をしておきましょう。念のため、追い焚き配管内の洗浄も行っておくのがベターです。

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