古来から伝わる冬の薬湯~体を温め、血行促進等の効果あり
2021.12.03

寒い冬の夜には、入浴こそが至福のひととき。温かなお湯に体を沈めると、思わず声が出てしまって…。そんな冬のバスタイムに興趣を添えるのが、古来から伝わる「薬湯」。冬至の風習となっている柚子湯がもっとも有名ですが、他にもさまざまな冬の薬湯があります。今回は薬湯の由来やそれぞれの薬湯の効能についてご紹介します。

温泉での湯治に始まる日本式入浴

湯船に漬かって全身浴を楽しむ習慣は日本人独特のものと言われますが、こうしたスタイルの入浴法は銭湯などの入浴設備が生まれるはるか前、4世紀頃からすでに行われていたと言います。それは火山国・日本ならではの各地で湧き出す天然温泉での入浴です。 温泉浴はケガや病を癒すための「湯治」、すなわち治療でもありました。つまり、入浴に医療的効果を期待するのは古くから一般的であり、その延長線上にお湯にいろんなものを生薬として入れる「薬湯」の文化があります。


心身を癒してくれる冬の薬湯5選

柚子湯
冬至=湯治、柚子=融通が効く、といった駄洒落から江戸期に「冬至に柚子湯」の風習が生まれたとか。そんな冗談のような成り立ちながら、効能は本物。体を温める効果や血行促進に役立つとともに、果皮に多いビタミンCが保水作用と抗酸化作用をもたらすため美肌効果やアンチエイジング効果が期待できます。

大根湯
大根を切って湯船に浮かべる、ではなく、使用するのは大根の葉。ビタミンA、B1、C、Eが豊富で、カルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラルも含まれている上、塩化物や硫化イオンといった温泉成分も。新陳代謝を促進し、体を芯から温めて冷え症防止に役立ちます。

松湯
松葉のお風呂と聞くと、松の葉っぱを湯船に浮かべてしまいそうですが、使うのは松葉の煮出し汁。汚れを洗い落した生の松葉を鍋で煮出し、松葉を取り除いた煮汁をお風呂に注いでかき混ぜます。a-ピネンやカンフェンなどの精油成分が含まれており、殺菌や鎮痛、血行促進に効果を発揮します。

生姜湯
風邪の時に飲むイメージが強い生姜湯ですが、実は薬湯としても効果バツグン。布で漉した生姜のすりおろし汁をお湯に混ぜて使います。生姜の辛味成分と精油成分が血行促進に効くとともに、辛味成分の抗菌・抗酸化作用によるアンチエイジング効果なども期待できます。

みかん湯
使用するのは食べ終えた後のみかんの皮。そのまま使うとお湯が汚れる恐れがあるので、ガーゼなどで包んでお湯に浮かべます。期待できる効能は、まず柑橘類特有のリモネンという精油成分による血行促進作用。体を芯から温めてくれるので湯冷めしません。また、みかんの皮にはクエン酸やビタミンCが含まれているので、美肌効果も十分あります。

薬湯を楽しんだ後は、しっかりお風呂掃除を

柚子湯などの際は、果肉が浴槽内に散らばると、微生物や雑菌の繁殖につながる恐れがあるので気をつけましょう。

また、入浴後は追い焚き機能は使用せず、浴槽のお湯を流して、しっかり掃除をしておくこと。念のため、追い焚き配管内も洗浄しておくことをおすすめします。

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