将来に備えて考えておきたい~水まわりバリアフリー化のポイント
2022.07.22

ご自身やご家族が歳を経るほどに必要になってくるのが、高齢者・要介護者にも使いやすい自宅設備の整備。特に1日に何度も使用するトイレやキッチン、転倒事故が心配なバスルームなど、水まわり部位のバリアフリー化は重要です。それでは、バリアフリー化を図る上でどんな点に注意をすべきなのでしょうか。部位ごとにポイントをまとめてみました。

トイレのバリアフリー化~なるべく一人で利用できることを重視

介護を受けている方も、トイレだけはなるべく一人で利用したいと思うもの。そのためにまず重要なのが、出入りのさまたげにならないよう、廊下とトイレ床の段差を解消し、トイレのドアも開閉しやすい引き戸にするなどの工夫。また、立ち座りが楽になるよう、便器はあまり低くないものを選ぶことや手すりの設置も必須と言えます。全体をリフォームする場合は、トイレの位置やスペース取りにもご注意を。可能であれば寝室やリビングに近い場所にあって、車椅子でも利用できるよう広くしつらえることをおすすめします。

段差を解消し、引き戸を採用した高齢者住宅のトイレ
つかまりやすい手すりは必須のアイテム

キッチンのバリアフリー化~短い導線を意識し、座っての作業も想定

ポイントとなるのは、なるべく導線の短いレイアウトを選択すること。おすすめなのは、ほとんど横移動がなく、体の向きを変えるだけで調理や洗い物ができるコの字型のシステムキッチンです。また、高齢者は高い場所の物が取りづらくなるので、収納棚を自動昇降機能付きのものにするなどの工夫もグッド。さらに、椅子に座ったり車椅子での作業も苦しくないよう、シンク下に膝が入るキッチンにしたり、シンクが浅いモデルを選ぶのも良いでしょう。

横移動が少なくて済むコの字形のシステムキッチン
シンク下が空いていて、座った状態で膝が入れられるキッチン

浴室のバリアフリー化~段差と温度差の両面ケアを

通常、外に水が流れ出ないよう脱衣室と浴室の間には段差が設けられていますが、浴室床にスノコを設置するなどして、まずは段差の解消を。さらに、浴槽が高くて深いと足腰の弱った方には使いづらいため、低くて浅い浴槽に交換するのがベター。また、転倒事故を防ぐため、手すりを設置し、床材は滑りにくい加工が施されたものを選びましょう。それから温度差の解消も重要。ヒートショックによる事故を防ぐため、浴室暖房乾燥機の設置をおすすめします。

ご高齢の方でも使いやすい低くて浅い浴槽
ヒートショック防止には浴室暖房乾燥機がおすすめ

洗面所のバリアフリー化~身体状態により洗面台をチョイス

段差の解消や引き戸の採用、手すりの設置などはトイレの場合と同様ですが、使い勝手を大きく分けるのが洗面台のチョイス。というのも、足腰が弱った方には、かがんだりする必要がないよう、ある程度高さのある洗面台が適切なのですが、車椅子利用の方などはむしろ低い洗面台が使いやすいため、利用される方の身体状態にあわせて選択する必要があるのです。後者の場合は、収納部分が空いていて膝が入れられるバリアフリー対応の洗面台などもおすすめです。

公共施設などで見かける車椅子対応の洗面台
握力が弱った方にはタッチレス水栓がおすすめ

水まわりのバリアフリー化は、頼れる専門家にご相談を。
大がかりなリフォームやリノベーションでなくても、ちょっとした設備改善で暮らしのクオリティが大きくアップする水まわりのバリアフリー化。そこで、いざという時に信頼して相談できる専門事業者選びがまず大切です。 水まわりに強い『ゆーゆーネット』の販売店なら、アフターサービスまで含めて安心してお任せいただけます。お気軽にお声がけください。

〈設備改善商品例〉

JFE建材「高齢者対応浴槽
・楽々またげる高さ55cm
・安心して移動できる手すり付
・ゆっくり入浴できる腰掛スペース
・湯底と腰掛スペースに滑り止めのエンボス加工

●メーカーサイト

東神工業「浴室スノコ」
・浴室に合わせてぴったりサイズで製作
・軽量の発泡ポリエチレン製
・濡れても滑らない安全設計
・スノコ表面は温かく快適

●メーカーサイト