「ヒートショック」に気をつけて!~冬のお風呂に潜む危険
2021.12.22

「ヒートショック」とは、暖かい部屋から寒い部屋へ移動するなど、急な温度変化によって血圧が変動し、体に負荷がかかる現象。特に冬場の入浴時に起こりやすく、厚生労働省の推計によると年間約1万9,000人もの方が入浴中に急死されており、その多くの原因がヒートショックと言われます。そこで今回はヒートショックのメカニズムと症状、防止策についてご紹介します。

ヒートショックはなぜ起こる?

入浴前の一般的な行動を見ると、まず暖房されたリビングルームや居室を出て、寒い脱衣室に入り、衣類を脱いでさらに肌寒い浴室に入ります。この時、体が寒さに対応するため自律神経によって血管が収縮し、血圧が上がります。その状態で熱いお湯に体を沈めると、今度は血管が開いて、血圧は一気に下降します。こうした短時間に起きる急激な血圧変動がヒートショックのメカニズムです。

ヒートショックの症状は?

ヒートショックが起きると、軽くてめまいや立ちくらみ、重いと失神や心臓発作などによる意識障害、さらには脳卒中や心筋梗塞につながる恐れも。また、浴槽につかった状態で意識を失った場合は、溺死してしまうリスクもあります。

ご高齢の方等は特に注意が必要

人は高齢になると温度変化を察知する感覚が鈍ったり、血圧を正常に保つ機能が低下してしまう傾向があります。厚生労働省の調査によると、入浴中の溺死事故で亡くなられた方の約9割が65歳以上の高齢者、との報告も。そのすべての原因がヒートショックによるものではないにせよ、高齢の方や心臓・血管系の疾患をお持ちの方は十分に注意を払う必要があります。

入浴時のシートショックを予防するには

入浴のタイミングを選ぶ

夕食をとってしまうと胃に血液が集中して血圧が下がりやすくなるので、入浴は夕食前がおすすめ。可能であれば、外気温が高く、人間の生理機能が活発で、体がショックを乗り切りやすい日中の入浴がベターです。なお、当然ですが飲酒後の入浴は避けましょう。

入浴前には適度な水分補給を

体に水分が少ない「脱水」の状態だと、血圧が不安定になり、ヒートショックを起こしやすくなります。入浴前には適度な水分を補給しておきましょう。

家族にひと声かけておく

同居のご家族がいらっしゃる方は、万が一の場合でも早めに見つけてもらえるよう、ひと声かけてから入浴しましょう。

湯温や入浴時間は控えめに

お湯の温度は41℃以下にして、熱いお湯による急激な血圧低下を防止しましょう。また、長風呂も禁物です。お湯につかるのは10分以内にとどめましょう。

脱衣室や浴室を暖めておく

そもそも家の中の寒暖差がヒートショックの原因なので、寒い脱衣室や浴室を暖め、リビングなどとの温度差を作らない「温度のバリアフリー化」は効果的な対策となります。脱衣室を小型暖房機で暖めたり、浴室はシャワー湯はり(浴槽の湯はりを、高い位置からのシャワーで行う)で浴室内全体を暖める、といった方法がありますが、もっとも確実なのは浴室暖房乾燥機による浴室・脱衣室の暖房です。

浴室暖房乾燥機の導入は、水まわりのプロに相談を
浴室暖房乾燥機の導入は、給湯器との適合性を見定める必要がある上、設置工事も発生するので、信頼がおける事業者に依頼する必要があります。その点、『ゆーゆーネット』に加盟している組合員企業は頼れる水まわりのプロぞろい。お近くの販売店までお気軽にご相談・ご用命ください。

〈商品例〉

ノーリツ『ドライホット』シリーズ
浴室の暖房、換気、涼風、乾燥機能はもちろん、上位機種にはミストサウナ機能も。写真の壁掛け型の他、天井カセット型もあります。
●メーカーサイト

パーパス&パロマ『温守(ぬくもり)』シリーズ
パーパスとパロマの2社が共同開発。浴室暖房乾燥機に求められる基本性能はすべて備えた上、快適性・操作性・清掃性等が進化。天井カセット型もあります。
●メーカーサイト(パーパス) ●メーカーサイト(パロマ)

リンナイ『バスほっと』シリーズ
温度センサーと人感センサーにより浴室内温度を自動で適温にしてくれる「安心暖房」など、スマート性能に秀でているのが特長。壁掛け型の上位機種及び天井カセット型には、カビ除菌に威力を発揮するプラズマクラスター機能も搭載されています。
●メーカーサイト

ご購入・お問い合わせは、最寄りの販売店までお寄せください。