「ぬるめ&ゆったり入浴」のススメ~心身にさまざまなメリットあり
2022.02.17

熱いお湯に漬かってこそバスタイムを満喫、という方もいらっしゃるかもしれませんが、当然ながら熱いと短時間しかつかっていられないため、入浴のせっかくの効果が存分に引き出せません。実は少しぬるめのお湯にゆったりとつかるほうが、さまざまなメリットが期待できます。そこで、今回は「ぬるめ&ゆったり入浴」の長所についてご紹介しましょう。

体を芯から温めて、冷え性をやわらげる

冷え性には、指先や足先が冷える「四肢末端型」、腰から下が冷える「下半身型」、お腹などが冷える「内臓型」、常に体温が低い「全身型」などがありますが、共通する対策として“体を芯から温める”ことが重要。そのためには夏は38℃、冬は40℃程度の“ぬるめのお湯”に、15~20分程度“ゆったりとつかる”のがもっとも効果的です。 長風呂は手持ち無沙汰で苦手という方は、読書をしたり、防水ケースに入れたスマートフォンでの動画鑑賞もおすすめです。

さまざまなタイプの冷え性も入浴で緩和・防止
読書やネットで手持ち無沙汰を解消

神経を鎮め、リラックスモードに

ぬるめのお湯につかると、自律神経が副交感神経優位の状態となります。これにより血圧や心拍数が低下し、胃腸の働きが良くなり、呼吸も深くなります。すなわち神経が鎮まってリラックスした状態となり、寝付きが良くなるのです。 逆に41℃以上の熱いお湯につかると、交感神経優位の状態となり、血圧が上がって神経が高ぶるため、眠りのさまたげとなる恐れがあります。

副交感神経が優位になると心身が穏やかに
神経を鎮めてぐっすり安眠

ヒートショックプロテインの分泌を促進

近年の研究により、人体は温熱を受けると、タンパク質の一種である「ヒートショックプロテイン(HSP) 」を分泌することがわかってきました。

“ヒートショック”というと体に悪いイメージがありますが、この場合は“温度差による人体への刺激”といった意味。HSPは抗ストレス性に富み、細胞の修復や免疫力アップに効果があり、疲労回復に役立ちます。HSPがもっとも盛んに分泌される湯温は38~40℃程度。この見地からも、ぬるめのお湯での入浴がおすすめです。

38~40℃のお湯がHSP分泌に最適
一説によるとHSPは安眠にもつながるとのこと

血行促進、筋肉・関節のほぐれも

さらに、シャワー浴等では得られない入浴ならではの効能として、「水圧による血行促進」と「浮力による筋肉・関節のほぐれ」があります。

前者は、体に水圧がかかることで血管が圧迫され、温熱効果と相まって血液の循環が促進されるというメカニズム。血行が良くなることで、老廃物の排出が進み、全身に酸素が行き渡って疲労回復につながります。

一方、後者は浮力による負荷軽減を指しています。入浴中は体が重力負荷から開放され、筋肉や関節のほぐれが進みます。

これらの効果を十分に得るためには、長めの入浴時間が必要。そこで、ゆったりとつかることができる、ぬるめのお湯が最適なのです。

入浴しながらのストレッチ等も効果的
つらい肩こり等も入浴で軽減

心臓病の方は入浴方法にご注意を

心臓病をお持ちの方など、心臓の機能が低下した状態にある場合、水圧による血行促進が心臓に負荷をかけて、悪影響を及ぼす恐れがあります。重症の方は医師に相談いただくことをおすすめしますが、軽症である場合も心当たりがあるようなら、みぞおち程度までの半身浴にとどめるなど、くれぐれもご注意ください。

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