

日頃から何気なく耳にしている浴室関連の用語ですが、語源を探ってみると意外な由来が浮かび上がってきます。中にはちょっと信じがたい面白エピソードも。そこで、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
浴室や入浴のことを「風呂」と呼ぶ理由
「風呂」には2説あって1つは「室(ムロ)」という言葉が転じたもの。もう1つは茶道具の「風炉」が語源という説です。
前者から解説すると元々日本の古来の入浴施設は「室(ムロ)」と呼ばれる一種のサウナ室であり、それがなまって「風呂」と呼ばれるようになったのだとか。
一方、「風炉」に由来するという説にも一定の説得力があります。「風炉」とは茶道で湯を沸かすために使う火鉢のようなコンパクトサイズの炉で、上に釜を置いて使用します。構造的にはカマドの上に鉄鍋底の桶を据える五右衛門風呂と同じであり、サイズアップした風炉が「風呂」なのだと言われても頷けます。
ちなみに「風呂敷」の由来はその名の通り、「室(ムロ)」での入浴時に下に敷く布であり、湯上がりには濡れた体をぬぐい、着替えた着物や風呂道具を包んで持ち帰ったと言われています。


浴槽を「湯船」と呼ぶのはなぜ?
浴槽のことを「湯船」と呼びますが、こちらも2説があります。
まず「湯舩」が転じて「湯船」となったという説。「舩」には「液体を入れる容器」という意味があり、それに由来しているという見方です。ただし、「舩」は元々古来から「船」の異字体として扱われており、ことさら意味を持たなくても時代が下るにつれて表記が「舩」→「船」と変化したのでは、という意見もあります。
2つ目は文字通り風呂を積んだ船に由来するという説。実は江戸時代に本当に浴室設備を搭載した移動式銭湯というべき「湯船」があり、そこからの呼称と言われています。
どちらの説が正しいのかはわかりませんが、「湯船」は1873(明治6)年発行の船図鑑『船鑑(ふなかがみ)』にも掲載されており、実在したのは間違いなし。江戸は運河や水路が張りめぐらされた水運都市であり、水上を自在に移動する「湯船」が銭湯が普及していない地域の住民に歓迎されたのかもしれません。

水道の蛇口をどうして「カラン」と呼ぶの?
カランの語源はオランダ語で「鶴」を意味するkraanに由来します。19世紀にオランダでシャワー切り替え式の水栓が開発され、見た目が鶴の首に似ていることからkraanと呼ばれるようになり、それが我が国にも伝わって「カラン」となったようです。なお、同じオランダ語kraanから今日の工事現場で使用される起重機「クレーン」の名称も生まれています。
ちなみに「蛇口」というのは明治期に横浜で近代的な水道が敷設された際、共用栓の吐水口に動物の顔をかたどったデザインが用いられ、やがて水の守護神である龍の意匠が主流となったことから龍の元となった動物であるヘビの名を冠して「蛇口」と呼ばれるようになっていったそうです。なお、江戸時代の火消しの消火道具に「龍吐水(りゅうどすい)」がありますが、手押しポンプの要領で火事現場に水を注ぎかける様子を龍に例えただけで蛇口のような龍の意匠とはまったくの別物です。


英語の「バスルーム」は必ずしも浴室ではない?
「バスルーム=bathroom」の「bath」には古代ゲルマン語で“暖める”という意味があり、そこから身体を暖める場所として浴室を「バスルーム」と呼ぶようになったと言われています。他にイギリスの古くからの温泉地である「Bath=バース」に由来するという異説もありますが、いずれにせよ温浴に関わる施設という意味合いは揺らぎません。
ただ、浴槽の中で身体を洗う習慣からイギリスやアメリカの住宅の浴室には洗い場がなく、トイレや洗面台が同じ空間にあるのが一般的。そのため、現在の英語の「バスルーム」にはトイレや洗面台も含まれています。
したがって、来客が「トイレをお借りしていいですか?」と尋ねる際、「Can I use the bathroom?」といった言い回しになります。
ちなみに、住宅以外でトイレを表す際は「restroom」 「washroom」「lavatory」 などの表現が使われることが多いようです。


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