近年、AgやAg＋という表示がされたさまざまな製品を見かけます。Agとは銀の元素記号であり、銀イオンによる抗菌性能があるという意味を示しています。実は銀をはじめとする微量金属の抗菌力は古代から活用されており、現在も多様な分野で重要な役割を果たしています。今回はそうした「微量金属作用の抗菌効果」についてご紹介しましょう。

「微量金属作用」とは？

微量金属作用とは、水などに溶け出したごくわずかな量の金属イオンが細菌類の働きを抑える効果のことです。たとえば台所のぬめり取りに丸めたアルミホイルを排水口に置いておくという暮らしの知恵が知られていますが、これも金属の抗菌作用によるものです。

抗菌作用がある金属としては、アルミニウムの他にもコバルト、ニッケル、亜鉛などが挙げられますが、古くから人類が利用してきたのは銅や銀といった天然鉱物。さらに言うと、銀の抗菌力は銅の10倍以上であり、まさしく銀こそが筆頭と言えるでしょう。
実は金にも銀と同等の抗菌性がありますが、希少かつ高価すぎて実用的ではありません。
ちなみに現代日本の硬貨でも、アルミニウム100％の1円貨以外のすべての硬貨に多く銅が使用されています。硬貨が細菌類に汚染されにくくするのが目的の一つと言われています。

古代から貯水に利用されてきた銀器

銀器に入れた水が腐りにくいことはすでに古くから知られており、古代ギリシャやローマなどでは銀の壺などに飲料水を貯蔵。銀が砒素などの毒物に反応して変色しやすいことから毒殺防止に役立つのもあいまって、中世ヨーロッパの王族や貴族は高価な銀製食器を争って求めました。
1883年にドイツのロベルト・コッホがコレラ菌を発見したのを契機に、河川の水中の細菌類の殺菌法が世界中で研究されるようになり、1929年にＧ．クラウスが銀イオンの存在を発見。わずか1年後の1930年にソ連で銀イオン電解法を使った飲料水の浄化装置が発明され、以後、世界中の浄水施設に普及していきました。
戦前の我が国においても同様の装置が主に占領地の浄水施設で利用され、第二次世界大戦の終結まで運用されていました。
戦後の水道施設では塩素による消毒が基本となっていますが、家庭用浄水器には現在も銀イオンを使用しているものがあります。
ちなみに銀の溶出による健康リスクについては、世界保健機関（WHO）飲料水水質ガイドラインで0.1mg/Lの濃度であっても健康リスクはないと報告されており、日常での使用に心配はありません。

銀イオンによる抗菌のメカニズム

イオン化した銀は空気中や水分の酸素と反応して、その表面に薄く活性酸素の膜を形成します。細菌がこの活性酸素に触れると菌の表面構造が破壊され、不活性となって増殖できなくなります。これが銀イオンによる抗菌作用のメカニズムです。
近年、工業技術の向上により、銀混糸（銀が混ざった糸）で織られた衣類が登場。汗をかくと銀イオンが発生し、除菌・消臭してくれることから、下着や靴下などに使われています。

お風呂のふたにも銀イオンを活用

家の中でもっとも高温多湿の環境にある浴室なども除菌・抗菌が求められますが、たとえばお風呂のふたにも銀イオンを使った抗菌仕様の製品が登場しています。細菌の繁殖を防ぎ、嫌なぬめりなどが発生しにくくなります。
除菌や殺菌と言えばアルコールや塩素のイメージが強いですが、今後、銀をはじめとする微量金属作用の抗菌効果にも再び大きな注目が集まりそうです。

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当組合では、専門メーカーとの長年の信頼関係のもとに、保温性や清掃性、美観、耐久性などに優れ、浴槽の形状やサイズ、お客さまのご希望に合った浴槽フタを豊富にラインナップ。後々までご満足いただける製品をご提案しています。もちろん記事本文でふれた銀イオンによる抗菌性に優れた製品も取り扱っております。風呂ふたのご購入に当たっては、当組合のお近くの販売店までお気軽にご相談・ご用命ください。

〈商品例〉

東プレ㈱ 【ミューファン】Ag風呂ふたシリーズ(SG認証品)
・ミューファン®・パウダーが細菌の繁殖を抑制し、抗菌・防臭を実現
・ミューファン®・パウダーには、体に安全な「純銀」を使用
・ポリエステルフィルムで銀の酸化・塩化を防ぎ、永続的に銀イオンを放出
・規格品にないサイズでも、オーダーメイドも可能
●メーカーサイト

SG認証品
SGマークはSafety Goods（安全な製品）の略号で、(財)製品安全協会が定めた認定基準に適合していると認められた製品のみがつけられるマークです。